新郎がお父さんと中座、その時のBGM

「お母さん今までありがとう」親の今までの苦労が一瞬で喜びに変わる瞬間です


先日のBGMのお問い合わせでした。

「新郎と新郎のお父さんとでお色直し中座をしますが、どんな曲を流したらいいでしょう」

新婦さんからのお問い合わせでした。
新郎のお母様は他界されていて、

「男手一つで今まで育ててくれたオヤジとどうしても中座したい」、

新郎のたっての希望だそうです。
二人でその時のBGMを探していましたが・・・壁にぶつかってしまい、問い合わせをされた次第です。

新郎と新郎のお父様との中座シーン・・・
ちょっと見かけないシーンですね。
というか、今まで一度も経験したことのないシーンです。
しかし、「オヤジといっしょに」と希望される新郎のお父様に対する想いは・・・
仕事をしながら厳しい環境で子育てを強いられたオヤジさんへの「ご苦労様」と感謝の思いを伝えたい、その想い一心から出たのだと推察いたします。

通常、こういう場合「一緒にに中座されるお父様の好きな曲」を使うのがベストな選択かと思います。

  • お父さんと今は亡きお母さん二人の思い出の曲
  • お父さんがカラオケで歌う十八番(おはこ)
  • お父さんの学生時代に流行っていた曲

しかし、お父さん。
そんな歌が好きな感じでもなく・・・(笑)
一応サプライズなので、なかなか聞きにくいし、どうしたらいいのかな・・・こんな状態でのお問い合わせでした。

「オヤジ、今までありがとうな」

なかなか面と向かって言いにくいこの言葉を、披露宴の自分の中座シーンで表現できれば良い・・・
そんなお父さん思いの新郎の気持ちを、何とか実現できる曲ってあるんだろうか。

しかし、これは新郎とお父さんの人生を少し彩るBGM。
一介の式場PAが正解をだせるようなレベルの話ではありません。
情報に限度がありますので、「私がもし同じ立場だったら」という想定の下に、考えてみることにしました。

目を閉じて考えていると、すーっと思いついたのが、河島英五の『野風増 ~お前が20才になったら~』でした。







河島英五(かわしまえいご)



縄のれんをくぐってカウンターに座っていると聞こえてきそうな曲。
私も含めて・・・新郎のお父様ぐらいの年代の方には、結構胸に響く歌だと思います。

オヤジと酒を飲み交わし、お母さんの前では言えない男同士の話に花が咲く。
オヤジの武勇伝や失敗談を聞きながら、山のように見えていたオヤジの等身大の話に、

「不器用でもあったかい男だったんだな、オヤジって・・・」

そう実感すると同時に、オヤジの人間臭さに共感できる嬉しさがふっとこみ上げてくる・・・

どんなに厳格なオヤジであっても、
どんなにオカンに苦労をかけてきたオヤジであっても、
どんなに反面教師なオヤジであっても、

男同士で酒を飲むときに話す、オヤジの正直な今までの人生談に、何も言い返す言葉はないと思います。
すべての話がオヤジにとって、必死に戦った人生の奮闘記。
その力の源となったのは、「家族は俺が守る」その意志だけであることがわかるから。

オヤジと二人で歩む曲。
20歳はもう超えていますが(笑)、「おまえの門出を祝う歌」・・・
披露宴の中座であろうと、オヤジと俺にとって未だ人生の通過点。

「お互い酒も入って良い感じだろうから、
お父さん・・・からっと明るくほろ酔い気分で一緒に歩いてくれよ」

そんなこんなで、渋々気味に承知してくれるオヤジさん(笑)
でも内心はもっと濃い酒飲んで酔っぱらいたいくらい嬉しい気分なんだろうと思います。

いいか男は 生意気くらいがちょうどいい
いいか男は 大きな夢をもて

子供に堂々と、「お父さんのように、大きな夢を持て!」
胸を張って言える人生を歩まないと。
大きくなった子供に、武勇伝の10や20は話せないとですね(笑)




誰よりも家族を愛した心優しき男、河島英五。
最愛の長女・河島あみるさんの結婚式に参列後の2001年4月16日、肝臓疾患のため急逝しました。

亡くなる2日前にライブに立ったのが最後の仕事だったそうです。
亡くなる前日に体調を悪くし、病院に運ばれるも既に手遅れの状態・・・
家族に看取られ息を引き取ったとのこと。

最後まで、命を削りながら、家族と仕事を大切にした男、河島英五。
「男が心から惚れる男」そんな形容がぴったりな、素晴らしい人だと思います。

河島英五さん、私が天国に行けたら・・・
『野風増』聞かせてくださいね。

「守るべき家族ができた」喜びと責任があふれ出る新郎の背中です


・・・結婚披露宴で新郎がオヤジと中座。
『野風増 ~お前が20才になったら~』が会場いっぱいに流れる中、退場口まで歩きながら、オヤジの肩越しに

「オヤジ、今までありがとうな」

この一言。
ゲストの皆さんもわからないくらい、さりげなくでもOK。
しかし、はっきりと伝えてあげてください。

男手一つで育ててこられたお父様にとって、この一言は・・・
心の奥深くまで響く、忘れられない一言になるだろうと思います。

note本文中でご紹介したブライダル写真は,大阪のブライダルフォト制作のプロ集団「マーブルフォト」さんのご厚意で掲載させていただいております。なお,写真は本文とは関係ありません。「マーブルフォト」の皆さん有り難うございます。

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仲居 一平 の紹介

結婚披露宴で音響演出を担当させていただいております,仲居 一平と言います。 音響担当の立場から,「本番の結婚披露宴」を見させていただいて, 心に残る演出やスピーチ,思わずうなってしまう”妙な”選曲などを,できるだけ臨場感を持ってお伝えしていきたいと考えています。お忙しいカップルさんの結婚準備に少しでもお役にたてれば幸いです♪
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新郎がお父さんと中座、その時のBGM への2件のフィードバック

  1. tetsuya のコメント:

    こんばんは
    ご無沙汰しています。

    新年からあまりついていませんが・・・
    頑張っています(苦笑)

    記事を読みながら仲居さんはプロとして何を選曲なさるか
    興味深く読んでいったら・・・

    河島英五とは!
    さすがです!(凄)

    これ以上はないと思いました。
    もちろんそれぞれ思い入れがあるのでしょうが
    迷っている人にはベストの選曲でしょうし、
    男なら・・・絶対通じると思います。

    ウチの父も酒が好きで(笑)
    でも私が飲めなかったので酒を酌み交わすことは
    ほとんどなく、そのうち病で酒をやめるようになってしまいました。
    ただ披露宴で少しは埋め合わせが出来たかなとは思ってますが・・・

    そして気付けば・・・今度は自分が父ですね(苦笑)

  2. 仲居 一平 のコメント:

    tetsuyaさん、ご無沙汰です。
    元気にされてましたか?

    ボチボチいきましょうね(笑)

    私もオヤジと酒を飲むときは何度かありました。
    しかし飲酒検問が厳しくなりましたからね・・・
    昔は平気でハンドル握っていましたが(笑)
    正月実家に帰っても、基本日帰りですから飲めません(泣)
    不思議とタイミングが無いんでね、これが。

    「よし!今日はオヤジと酒を飲む」

    そう決めて行かないと飲めないですね。
    何を話すこともないのですが、

    「まあ、たまには話し相手になったろか」

    そんな感じで飲み始めると、気がつけばボソボソしゃべるオヤジのペースにはまっている・・・
    嫁や子供の前ではしゃべれない「弱み」、「失敗」をついつい話してしまいたくなる安心感。

    さすがに血が繋がった親ですね。
    自然と話してしまうんです。
    そして、すっきりする。

    死ぬまでに何人の人に、自分の胸の奥深くに押し込んでいる本音を話せる人がでてくるでしょうか。
    そう考えると、やはり親って大切な存在だなと痛感します。

    そのうちtetsuyaさんのお子さんも中学くらいになると・・・
    成長させてくれますよ~(笑)
    いろんな問題をどっさり作ってくれますから。

    でも真剣にあいてしてやらないとですね。
    受け止めてやらないと・・・
    受け止めてもらった経験がないと、受け止めることのできない大人になってしまうかもしれませんね。

    責任重大ですが、しかし・・・ボチボチ行きましょう^^;
    いっぺんには無理ですから~(笑)

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